キッドです。
井上選手の二階級制覇がかかった試合。
相手はアルゼンチンの英雄、オマール・ナルバエスでした。
今回の試合はいくら井上選手といえど試合前は苦戦されるであろうと予想されていましたが、
試合がいざ始まってみると
嘘だろ!?という衝撃的な内容でした。いい意味で衝撃的です!
あれには大興奮しましたね!!!
今回はそんなナルバエス戦についてと海外の反応をお伝えします。
オマール・ナルバエス
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ナルバエスのプロフィールです。
本名 | オマール・アンドレス・ナルバエス |
階級 | バンタム級 |
身長 | 159センチ |
リーチ | 163センチ |
誕生日 | 1975年7月10日 |
国籍 | アルゼンチン |
スタイル | サウスポー |
戦績 | 52戦47勝(25KO)3敗2分 |
当時43勝(23KO)1敗2分という戦績で、
WBO世界スーパーフライ級の王座はなんと12度目の防衛戦。
ダウンを未だかつて体験したことのない絶対王者。
一度もダウンが無いということから防御が固くてディフェンスは完璧と言われています。
また、防御だけでなくテンポが速い攻撃も得意です!!
その攻撃からハリケーンの異名がついたとも言われています。
防衛回数とダウンを一回もした事がないので、いかにナルバエスが凄いか分かります。
戦績も実力も本物の強者です。
井上選手苦戦するだろうし、
もしかすると、敗北もあり得るだろうと予想されていました。
試合内容
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井上尚弥選手がライトフライ級から
スーパーフライ級に2階級上げて挑んだ初の試合でもあります。
ライトフライ級王座を返上し、
次に狙ったのはフライ級ではなくスーパーフライ級の王座でした。
フライ級を一つとばして、2階級アップ。
これは減量の後遺症でフライ級に落とすのも厳しいからでありました。
48.97kgがリミットのライトフライ級から、
52.16kgリミットのスーパーフライ級への転級です。
いくらアマチュアで戦績を残したといって
もまだプロキャリア7戦のボクサーの2階級アップの転級です。
さらにいきなり世界戦というのは
普通に考えれば無謀な挑戦と見られていました。
しかも相手は強敵、ナルバエスです。
でも、モンスター井上尚弥なら、
きっといける、KOは無理でも判定で勝ってくれる、そんな気がしてなりませんでした。
そして試合。
試合は予想を覆す衝撃のKO劇でした。
開始早々、強い右ストレートをナルバエスの固いガードの上から打ちます。
そしてナルバエスはガード越しのパンチなのにグラつきます。
すかさずガードの隙間からまた右ストレートをねじ込みます!
20年間ダウンを今まで一回もした事がなかった王者が、
なんとこの右で嘘のように倒れました。
ガードの内側からこじあけるような右ストレートを2発打ちましたが、
実はこの右ストレート、練習してきたパンチだったのです。
最初に強いパンチを打って、
そこから相手にパンチが強いと警戒させるのが作戦だったようです。
警戒させるための一発が警戒どころか
ダウンを奪う強烈な右ストレートへと進化していたのです。
この理由は、過酷な減量から解放され、
階級を一気に2階級上げたことによるパワーアップと
トレーナーである父の真吾さんが、修正させたパンチの角度の為です。
井上選手もパンチへの体重の乗り方が
前の階級の時とは全然違っていたと言っています。
たった二階級でここまで変わるのですね!!
パンチの角度もこれまでは少しガードの外側から打ち込む感じだったが、
その角度を練習で内側から打つように変えたのです。
練習してパワーアップした右ストレートだから倒せたのです。
本人たちもここまでのパワーは見込んでなかったかもしれません。
父、真吾さんは判定でいいから勝ちにいくといいながらも
密かにKOを狙っていたらしいので、ある程度予想はしていたかもしれませんね。
その理由はミットを受けている時のパンチ力がライトフライ級の時とは
桁が違ったからだそうです。
しかし、パワーアップした右ストレートの反動で井上選手も拳を痛めました。
ダウン後もナルバエスは立ち上がり、拳を痛めて普通なら焦るとこですが
井上選手は動じる事なく右が駄目なら左があると考えて試合を続けます。
そして再び、井上選手はコーナーにつめて
今度はテンプルをかすめるような左フックで二度目のダウンを奪います。
二度目のダウンを奪っても井上選手曰く
「ナルバエスのパンチはまだ死んでいなかった。
判定勝利をするつもりでいたし、冷静に進めた」と、
無理に勝負を決めにいきませんでした。
見ていてもナルバエスはパンチを連打で打ち返します。
そして2ラウンド目に突入。
そこからさらにダウンを奪います。
一番凄かったのは、この3つ目のダウンです。
サウスポーを相手に、右フックをスウェーで躱すと、
そこに左フックでカウンターを合わせたのです。
ナルバエスは、見事に倒れました。
大橋ジム所属だった元WBC世界Sフライ級王者の
川嶋さん曰く「あれは練習を積んでもできないパンチ。
特にサウスポーの見えにくいパンチを外して、
そこにカウンターを合わせるのだから、とんでもない才能だ」と絶賛していたようです。
ちなみにこの左フックのカウンターはドネアの左フックを参考にしたらしいです。
それでもナエバエスは意地で立ち上がりました。
もう勝負は決まったなと思いましたね。
最後の止めのダウンは左ボディーです。
上に意識をいかせてガラ空きになった腹へ
最強のボディーブローをもらった伝説の王者は、
もう立ちあがることはできずに試合終了となりました。
ダウン経験もない王者を2ラウンドで4度も倒して予想以上のまさかのKO劇で
関係者全員大興奮して熱気に包まれた会場となった事でしょう!
オマール・ナルバエスのコメント
試合後のナルバエスのコメントです。
「私のコンディションは良かったし、調整もきちんとしていたが、
1ラウンドの一発目から効いてしまい、パンチ力に驚いた。
本当に超ストロングなパンチだった。
もっと上の階級のパンチ力だったし、パンチが速過ぎて見えなかった。
気力ではなく体が限界だった。井上はノニト・ドネアよりも強かった。
私を負かし、驚かせた。彼はまだ21歳。
大きな未来が待っている。歴史的なチャンピオンになれると思う」
このようなコメントをしてくれました。
伝説の王者も潔く井上選手の強さを認めました!
いや認めざるをえません。
文句のつけようのない圧勝でしたから!
あまりにも強すぎてクレーム
試合直後のリング上で井上選手があまりにも強すぎたので
ナルバエス陣営がクレームをつけてきました。
陣営は「王者があんな倒れ方をするはずがない。
グローブに鉛か何かを入れているんだろう。今すぐに確認させろ!」といいました。
フライ級、Sフライ級王座を27度防衛し、
ダウン経験が一度もなかった伝説の王者が2ラウンドで4度のダウンをしました。
その光景をナルバエス陣営が信じられなかったのも無理はないです。
クレームというより、本当に何か入れていると思ったのでしょう!
大橋会長がリング上で、
井上選手のグローブを外して相手に確認させると当然、何も入れていません。
「どうなんだ?」と大橋会長が聞くと、ナルバエスのトレーナーは、
苦笑いを浮かべて「グレートなニューチャンプだ!」と言ったそうです。
このエピソードもどんだけパンチが強いんだって話ですね!
海外の反応
出典 Photo by Nicholas Green on Unsplash
試合後の海外の反応です。
「イノウエは凄いな」
「今年のベストファイターは間違いなくイノウエだ」
「ローマン・ゴンザレスとイノウエ、この対決を見たい」
「あの会場に医者はいたのか?」
「ナルバエスの時代は終わった。ナルバエスは偉大なチャンピオンだったが、だれでも永遠につづくものではない。ナルバエスには長い間アルゼンチンのボクシングをトップにもたらしてくれて感謝したい。今回対戦した相手(イノウエ)は全階級で3強に入るであろうゴロフキンのレベルと考えていい。それでもナルバエスの偉業は全階級でもトップ10に入るだろう。」
「ナルバエスはアルゼンチンで戦うときに比べると準備ができていなかったのではないか。茶番にも思える。」
「残念だった。ナルバエスの年齢では自分であきらめた可能性があるかもしれない。それでも優秀な成績で引退できるのではないか。この敗北は彼の記録と彼の輝かしいキャリアに傷をつけるとは思わないが、最も思い出してしまう試合にはなるだろう。それでも素晴らしい男、素晴らしいボクサーだった。」
まとめ
大興奮した本当にいい試合でした。
この試合で世界中へ一気に知名度が上がったと思います!
本当のモンスターを証明してくれました!
このファイトの衝撃も1.2位争うくらいです。
またこのくらいの興奮を見せてほしいものです!
最新の試合についてはこちらの記事をご覧下さい。
【試合結果】井上尚弥がダスマリナスを3RKO!とんでもない強さに大興奮だぜ!
それにしても井上選手強すぎます!!!
彼の強さの秘密は一体何なんでしょうか。
その強さについては詳しくはこちらの記事からご覧下さい。